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なかなか自分で決められない人のための「決める」技術

評価:★★★(参考になる部分はある)

俺は優柔不断だ。昔から「決める」ことが苦手だった。

歳を取って、プライベートでの決断はそこそこ早くなってきたが、仕事での決断がどうもまだ遅いしはっきりしない。それを改善するようなヒントが得られればと思い読んだ。

 

以下のように、決められない人と決断できる人の行動を対比して、決断のヒントが41個書かれている。

決められない人:なんとなく人生を歩んでいる

決断できる人:自分の人生を経営している

わかりやすくて読みやすい反面、内容は非常に薄い。上記から読み取れるように、具体的な技術よりマインドセットの話が多い。じゃあ具体的にどうすれば良いのか?という項目が多く、データに基づく主張もほとんどない。読んだ時は確かにそれは大事だと思うんだが、明日から実践できるかと言えばできない。

 

また、著者の考え方に偏りがあり、それが鼻について俺には合わなかった。例えば、上記の項目では著者の「仕事」の定義が述べられている。

仕事とは、すでに決まっていることではなく、「自ら決めて動く行動やアクション」のことです。

それと対になるのが「作業」であり、業務=仕事+作業 と定義付けている。言葉の再定義は自由にすれば良いが、俺は一般的な用法とずれた仕事論が嫌いだ。そういった本筋とは関係のない言葉の定義はされていても、本筋に関わる言葉の定義がないため、全体的に漠然としたマインドセットの話に終始している。例えば、「決める」と「思う」は違う、という項目があるのだが、その2つの定義がない。逆に別の項目では、「幸せ」と「成功」の違いが述べられている。

 

そもそも「決める」対象や定義がされていないため、狭い範囲の話になっているのも残念。

後半は習慣の目標設定の仕方や継続のコツなどにも話が飛んで、何の本だったのかわからなくなる。習慣に関してはもっと詳しい本が沢山あるので、そちらを読んだ方が良い。

 

マインドセット自体は頷けるものなので、それらを再認識するには良いと思う。「決めるとは何かを捨てることで、捨てたものには思いを馳せない」あたりは改めて確かにそうだよなと思った。